今日は閑話休題にしましょう。(笑)
チビ工場長・父の『どッ金』探しは、人里から何百キロと離れた所で行われます。
そのため食料調達や通信ベースの基地が必要なのですが
最近、その町に戻った際に親方から写真同封の手紙を落手しました。
森の抜けた先に見える灰色っぽい連なり。我々の命たるブドウの木々です。
潤い豊かな肥沃な土地として再生される休眠期の雨季。
我々農夫はあまりにも大自然に対して無力ゆえ、春の到来を待つのみですが
この機会にヴィンヤードと自然森林のお話をさせて頂こうかと思います。
当ブドウ園には自然の摂理でバランスを得るため
そして野生動物や昆虫類など様々な生態のため
家畜はもちろん人間すら干渉が一切ない自然森林を12haも残しております。
この保護森林はいくつか点在しますが
最も大きい森林は5haもの面積を有し、ブドウ園の畑中央に位置しております。
大自然の水源は山中の森林部からの湧き水や、森の木々が貯えた降水ですが
同じ様に我々のブドウ園中央に位置する雄大な保護森林にも
雨季には豊かな水を湛える天然の小川が存在し、緩やかに縦横しております。
この小川は至る所で自然に閉塞しており
穏やかな流れが水分をゆっくりと大地の深部まで浸透させ
土壌に潤いを与えてくれています。
豊穣を与えてくれるだけでなく、大自然に生息する生命の「拠り所」となる森林。
黄色いワイルドフラワーも『黄金色』に見えてしまう今日この頃。
親方からのヴィンヤード画像を皆様にお届けいたします。
『わにに羽二いるなら、川には居ない』と言うわけで(?)
三平君と魚紳さんはバラマンディーを求めて乗り込みました。
オーストラリアは大陸なんです。
南極海の恩恵を受けるマーガレットリバーは雨季でも、赤道に近い北部は乾季。
【乾季=乾いた季節=水が一箇所に集まる=魚うじゃうじゃ=一網打尽】
中学校で習った方程式、あれが初めて解法できた時の悦びを覚えてますか~?
雨季になったら、晴れた日に「ヘリコプター」を飛ばす以外は遮断される場所もある。
一夜にして湖が発生し、そして小さな小さな湖沼が繋がって大河となり
やがては「その命」を海へと帰す北部オーストラリア。
乾季が始まった頃はイジケて大人しくしている魚君たちも
やがて訪れる雨季を感じる今日この頃。
押し込められた小さな湖沼から、大河と共に自由奔放な旅に出るため食欲旺盛!
チビ工場長・父の愛用タックル、往年の名機。
わかる人にはわかるんだな、コレが・・・
僕も当時は食欲旺盛で、部活帰りに駄菓子屋で夢を語ったな。
研修グリコに乾杯!
荒野の中、ランクルを走らせた。
朝の5時から運転を始め、メーターが820kmの走行距離を示した頃。
給油のために迂回して立ち寄った寂れた町で、久しぶりに人の声を聞いた。
ラジオから「Crossroads」が流れる。Cream時代はブルーシーなsoundsだったな・・
思いふける僕の横で、助手席のチビ工場長が一言『クラプトンじゃん!』
影響されたな、いや大きくなったな我が息子。
と言うわけで(?)息子のロック魂を称えるため
記念に彼の名前を「文字れる」アンプを購入!(←してあった、数年前に)
40年以上も昔の真空管アンプ、1965年製造のFender、Showman強制登場の予定です!
我が家は父が経理も担当しているので、家族に小遣いがありません。
誰かがお金を必要とする都度に家族会議、そして同金額を家族に還付。
つまり父がお金を使うと、使った分だけ皆の手にも渡ってしまいます。(泣)
くれぐれも注意!Showmanは父所有ではなく、チビ工場長のギター・アンプです。
入手困難なヴィンテージ品だから、良いアンプと出逢った時に購入済なのですが
別に隠していた訳では・・・
家族会議の「交差点」が渋滞でない事を願う、今日この頃。
クラプトン、勇気を有難う。
今日は早口言葉の練習、『わににはワニ鳥が羽二いる』・・・っえ???
そう思われることでしょう。
「Crocodiles inhabit this area. Attacks cause injury or death.」
(ここはワニの生息地域です。襲われると重症もしくは死の危険あり)
チビ・工場長を「三平」と一時的に命名し
何のことか不思議がる息子に、僕自身を「魚紳さん」と呼ばせる父。
夢と度胸で大物狙い、二人の目指す魚は巨大魚・バラマンディー!(A$45/Kg)
麦わら帽子は空港の検疫で没収されたが、トレードマークの草履はあるぜ!
で乗り込んだのですが、注意書きを読んで・・・っえ???
あえなく撤退です。
-Keep away from water’s edge.
-Do not enter the water.
-Take extreme care when launching and retrieving boats
-Do not clean fish near the water’s edge
-Remove all fish and food waste.
-Camp well away from the water.
さすがに草履は不安です・・・
牛皮製の安全靴、鉄板が入っている靴で出直します。
ユリッペ、ごめん。
南半球のオーストラリア、ヴィンヤードは真冬の休眠期。
しかし、チビ工場長・父は寝ていたワケでは御座いません!
「ときどき日記」をお約束の通り、「とっ金どッ金日記」にしておりました。
場所は西オーストラリア「金張り」、いやKimberley(キンバリー地区)の某所。
そう、ワールドカップで沸いた南アフリカ、そこのダイヤモンド炭鉱と同じ地名。
しかし豪州の当地は、同じダイアでも世界中で稀なピンク・ダイアの産地。
「風の谷」に再び戻り、愛用・金属探知機で18時間・・・
『ピーいッぴーぃュア』愛器が悲鳴を上げる。
これでチビ工場長・父もヴィンヤードのオーナー!?
舗装道路もなく、ランドクルーザーですら走行が難しいこんな僻地に
何故にビールの王冠が落ちているのだろうか・・・
新春を寿ぎ、ご挨拶申し上げます。
旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
バイオダイナミクス農法という「大自然に全てを委ねる」栽培では
我々農夫の覚悟は、母なる大地に対してあまりに無力であるのですが
皆様に愛飲して頂くため誠心誠意努める覚悟でございます。
今年も変わりませずご交誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
「ときどき日記」が「ひさびさ日記」になってしまった今日この頃・・・
チビ工場長・父は、収穫後の長期休暇に「生涯の有給休暇」を頂戴し(?)
9ヶ月もの間『風の谷』にて夢を追いかけておりました。
聞いただけでも【どきどき日記】になってしまう冒険話はさておき、今日はクリスマスの日。
おめでたい紅白、そう言えば「サンタクロース」も赤白ですね・・・。
当園には「Shiraz;シラーズ」と「Chenin ;シュナン」の2品種が既にリザーブとして
現地オーストラリアはもちろん、日本の愛飲家様にも好評を頂いておりますが
今日はチビ工場長・父、長期休暇のお詫びとして
そしてクリスマス・プレゼントとして、皆様方に‘赤白’の2新品種を「紹介」させて頂きます。
「Cabernet Sauvignon ;カベルネ・ソーヴィニョン」100%のストレート・ピュア。
今日のために数年間、隠し持って、いや寝かせておりました。
これはもう形容し難い絶品に仕上がっており、父は仕事を忘れてしまうほどです。
スパークリングの「Grandis;グランディス」いよいよ出荷をさせて頂く予定です。
炭酸を得るために酵母を用いる二次発酵、ピュピトルを手で回して澱を集めるルミアージュ工程。
気の遠くなるような手作業による製造方法。
ご自身で本物を感じることができる超絶な発泡ワインです。
これで当園のリザーヴは、おかげさまで4品種になりました。
新たな‘赤白’のご紹介をもって
南半球からMerry Christmas!
ヴィンヤードでの収穫も全てが終わり、本年度も実り豊かな年でした。
「生きている」ブドウ達は、その年毎に色々な味わいを醸し出します。
そして優しい顔つきに感じる年もあれば、凛々しい年もあります。
まあこれは、一粒ずつのブドウを愛している我々の感受性による表現ですが・・・。
本年度は多忙な収穫時期に、心から愛してやまない「相棒ボロス」の突然の死があり
『生命』の尊さを痛いほどに感じた年でした。
不思議な事にこれはチビ工場長・父の個人的な私生活だけでなく
ヴィンヤードのブドウ達からも『生命力』の強さを非常に感じる一年でした。
相棒ボロスの灯火と反するが如く、農場では昆虫や野鳥の命までもが力強く
時にはその「強さ」に嫉妬をしてしまう自分が居るほどに。
最後には励まされましたが・・・。
醸造されたワインを口にした時
ブドウを大切に育て上げた我々は『命』を風味と一緒に感じるはずです。
皆様方にも「それ」を感じて頂ければ。
そう心から願わせて頂く今日をもちまして、チビ工場長・父はしばらく旅に出立させて頂きます。
今はそこに到達できないけれど、相棒ボロスが呼んでいるので。
では・・・See you soon!
本年度、最後の収穫は『カベルネ』です。
我々農夫にとって雨は「天の恵み」なのですが、収穫の時期だけは望みません。
雨天の手積み作業は大変だから?
いやいや、理由は別のところにあります。(笑)
マーガレット・リバー地域の最大の特徴でもあるのですが
収穫の時期に長雨が降らない気候というのは、実は非常に重要な要素なのです。
暑く乾いた夏にブドウの木々は燦燦たる太陽の光を浴び
果肉にみずみずしい「果汁」を貯え自らを潤します。
しかし乾いた夏を乗り越えて、訪れる秋の収穫時期に長雨が降ってしまうと
「喉が渇いている」ブドウの木々は根を通してその水分を吸収してしまいます。
自らが創り出した果汁たっぷりの房には、余剰な水分が取り入れられてしまい
豊かな果汁が「希薄」になってしまうだけでなく
房が必要以上に膨張して裂け、そして体調不良を起こしてしまいます。
本年度も果汁たっぷりの最良質なブドウを、ありのままの状態で収穫する事ができました!
近くの消防署が主催した「地域ふれあいフェアー」が開催されました。
オーストラリアは西欧文化圏、つまりレンガ造りの家屋ですので火災事故は少ないのですが
『消防士』と言えば全世界共通の「正義のヒーロー」。
昨今の山火事において勇敢に戦い抜いた戦士達の記憶も新しく
チビ工場長・家族は心から彼らを崇拝しております。
と言うわけで、日頃の「安全」を身をもって守ってくれる彼らと触れ合って来ました。
緑色の消防士は「化学災害」が起こってしまった際の特別班ヒーロー。
つまりテロ攻撃から市民を守ってくれる正義の味方・・・。
父がチビ工場長の時代には、この様な特殊部隊は「軍隊」みたいな遠い存在だったのに。
「生きている」火よりも、「死している」化学物質の方が怖いだろう。
身近なところで『寂しさ』が募ってしまった週末でした。
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